とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

ジェルミナル4−1

ジェルミナルを書取始めて2カ月半、第3部が今日終わった。全工程の4割近くまで来た。


当時の炭鉱に関わる人々の生活ぶりが描かれていく中で、使う側と使われる側、搾取する側とされる側の対比が極端で、おそらくこの辺最後まで話の根幹を成すのだろう。


あとゾラの描写力が本当に恐ろしい。文学素人の自分でもこの人はズバ抜けていると分かる。間違いなくスペシャルワン。五感に訴えかけるような描写をヴィヴィッドに読者に突き刺してくる部分が本当に独特。


日中、夕暮、夜間それぞれ時間の経過が与える色彩の多彩さに加えて、様々な音や声を通じた近景・遠景を絶えず意識させる独特の距離感とか、生活感満載に色んな匂いが充満する様子とか、リアルな1860年代後半の炭鉱の世界を五感を通じて投げかけてくる。


ボヴァリー夫人もリアルだったけど、その難しさもあって、少し斜め上からその世界を覗き込んでいるという感覚があった。それに対して、ジェルミナルは隣の部屋から直にその世界を観察しているような感じがする。同じ部屋に同居して観察するにはまだ語学力も経験も足りない感じか。。


そういえばフローベールは家に引きこもって、毎日推敲を繰り返しながら細かい描写を書き綴っていったらしいけど、ゾラのこれは想像だけで完成させるのは無理な領域だと思う。相当入念に炭鉱やその関係者達を観察していたのではないかなと。