とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

水車小屋攻撃終了

7つの短編のうち、まず1つ目の水車小屋攻撃が終了。93分の読み上げに対して18日かかった。


舞台は普仏戦争時のフランスの片田舎。プロイセンの侵攻を受け、成り行きからフランス、次にプロイセン、両軍の砦として使われる事になった水車小屋と、そこで暮らす家族が直面する残酷な運命を描きつつ、戦争の無慈悲さを炙り出す・・。


最初はジェルミナルの炭鉱の世界から頭が抜けず、情景描写を書き取るのに苦労したが、話が転がり出してからはサクサク進んだ。最後のセリフが秀逸だった。


普仏戦争なんて自分の知識を総動員しても、ビスマルクがドイツをまとめて強くして、ナポレオン3世を捕虜にして、アルザル・ロレーヌ地方を分捕った戦争、みたいな事しか知らないのだが、当時の文壇に与えた影響も大きかったのかな。


ゾラがこの戦争を題材に、こんなに反戦的なトーンで小説を書いていることは知らなかった。そういえば自分が去年書き取った、モーパッサン出世作の脂肪の塊も、この戦争を厭世的なトーンで描いていた。


・・って、少し調べたら、水車小屋攻撃も脂肪の塊も、自然主義作家の有志による普仏戦争を題材にした短編集「メダン夜話」に一緒に収録されている事を知る。


メダンというのはゾラの家があったパリ近郊の街の事で、そこでよく有志たちの会合が開かれて、自然主義の普及のために色々活動していたんだと。ゾラとモーパッサンって普通に絡んでたんだな。知らなかった。


ちなみにこの作品の、Wikisource(→)。音声は(→)
あと6篇、淡々と進める。