とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

居酒屋読了

ゾラの「居酒屋」を読み終えた。全行程で36日ほど。年末年始も、毎日1時間ずつ意図的にゆっくりじっくり読み進んだ。あらすじはWiki(⇒)の通り。


L'Assommoir (Le Livre de Poche)

L'Assommoir (Le Livre de Poche)

  • 作者:Zola, Emile
  • 発売日: 1996/01/01
  • メディア: マスマーケット


(以下、ネタバレを含む)
最初の頃は、幸せを掴もうと日々奮闘する主人公の洗濯女ジェルヴェースに感情移入しながら読んでいたが、幸せを掴もうとした刹那、加速度的にどんどん底なしに落ちぶれていく様子を見せ続けられ、後半は読むのが辛かった。
最後は孤独のうちに餓死していたジェルヴェーズ、もうちょっと何とかならなかったのかという、寂しさだけが残る。。


この話にはジェルミナルのような明確な主題も教訓もない。19世紀のパリの下層階級の人たちが、いかに生き、死んでいくかが淡々と(それがあるがままのように)描かれているだけ。それなのに、なぜこんなに読む人の心をこんなに抉るんだろ。この抉られた傷跡のヒリヒリ感が何とも独特で、あぁやっぱりゾラは別格だと、読み終えて勝手に独りで納得したのでした。


語学的には、最初は相変わらずの登場人物の多さに読み難さを感じたが、世界に馴染んだ後半はやっぱり読み進みやすくなった。
日本語版も買っていたけど、それに頼らず、凡そは理解できているなという感覚を持ちながら最後まで原書で乗り切れた。基本的に文体は素直で読みやすい。分量は半端なく多いけど19世紀のフランス文学の白眉だからこそ、関心のある方は躊躇なく取り掛かってみるのをオススメします。


さて、これからどうするか。