通訳案内士一次を突破して少しだけ安堵したので、気晴らしにフランス語の映画を見る。ベルギー映画というのは初めてかな。
予告編の再生回数7700回というのは寂しい。話がラブロマンスのせいか映画館は女性客ばっかりでした。
中盤までのあらすじ。
透明に生まれついた主人公モナンジュ(Mon ange=私の天使)は片親である母と社会から隔離されながら生きる身。
ある日、自分の存在を唯一認識してくれる(同じく社会から隔離された)盲目の少女に出会い、逢瀬を重ね、愛し合うようになる。が、彼女が視力の回復手術を受けるため、モナンジュと離れることになり・・
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透明人間という非科学的な題材を扱うと、色々と世俗的、科学的な矛盾が問題になってしまうが(抜け毛や排泄物はどうなるんだとか、ずっと裸で寒くないのかとか)、とにかく物語の周りの装飾をひたすら削ぎ落し寓話みたいにすることで強行突破していた。
寓話感を引き立たせる田園地帯の繊細な映像と、幼少期から成年期のヒロインを演じる3人の女の子の魅力も相まって、映画の世界観には深く感情移入できた。
自我、相貌、愛について問うシンプルな(けど難しい)主題に落とし込まれていて、上映時間の85分があっという間に感じた。
あと語学的に言えば、モナンジュのヒロインに対する甘い呟きを聞きながら、フランス語はやっぱりささやく言葉だよな・・ってことを深く感じさせられた。この映画、ドイツ語だったら色合い変わるだろうなって言ったら偏見だろうか。。
というわけで、フランコフォンの甘い囁きに浸りたい人にこの映画をオススメします(あと1週間くらいで上映終わるけど。)