とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

伊検を取り巻く苛烈な現状を知る

英語に英検、フランス語に仏検があるように、イタリア語には伊検というものがある。

 

1995年に設立されたイタリア語検定協会が主催するこの試験、春は3月に1次(2次がある級は開催されない)、秋は10月に1次、12月に2次(1級、2級のみ)、全国主要都市14か所で開催されている。

受験者数が減少傾向にあって、さらにコロナ禍の余波も重なり、イタリア語検定協会を取り巻く状況は厳しい。公開情報を見ると心配になるレベルだった。

昨年度の決算が以下の通り。

 

2020年4月度損益計算書
https://www.iken.gr.jp/association/pdf/f-report.pdf(PDF注意)

売上が1700万円。本当に少ない。これは厳しいですね。(同時期の仏検協会の売上が1.8億円。英検協会が145億円。)コロナで春の試験を休止したのが響き300万円の赤字を出している。この規模だと場所代が結構な支出を占めることが分かる。試験場の数を維持するのも大変だ。

 

2020年4月度貸借対照表
https://www.iken.gr.jp/association/pdf/balance.pdf(PDF注意)

借入もその原資の固定資産もないから極めてシンプル。正味資産(民間で言う純資産)が積みあがっておらず、去年の大赤字で全部食いつぶしている。

ただ今ある現預金600万の原資が良く分からない。秋の検定収入見込1100万円を前受金として負債に入れているけど、この計上の仕方も??良く分からない。

伊検協会はNPOだし(英検、仏検公益法人)、借入にも相応の個人保証が必要なはずで資金繰りには余裕がないはず。

去年の夏~秋に募金呼びかけをして600万円ほどの現金を得たとはいえ、それでもかなり綱渡り的な運営になっているんじゃないだろうか。

常設の事務局はあるようだけど、この事業規模だと専従の人も雇えないし、関係各所の色々な立場の方々が手弁当的に資格試験を支えているんでしょう。頭が下がる。

外務省後援とはいえ、いざ苦しくなっても国は税金投入してくれないだろうし。

 

 

伊検を盛り上げる方法はないだろうか。考えてみる。。

1)イタリア語、スペイン語フランス語検定で協力して、1級を全部取ったら、記念品(金貨とか)を贈呈して表彰することにし、ロマンス語クラスタのコレクション欲を煽る。

2)伊検の最低級(5級)が受けられるバウチャーを各地域の語学学校の入門講座とセットにして配って、底辺拡大を目指す。

3)受験費用が思いっきり高い”超1級”を作って、合格者にファーストクラスラウンジみたいな施設を利用できる権利を与える(ただ合格率は思いっきり下げて非現実的な設定にする。)

4)資格試験に命名権とかスポンサー制を導入する(価値が上がれば、フェラーリ伊検1級とか、ブルガリ伊検2級とかになるかも。)

 

・・くだらない。マイナー語学の裾野の拡大は難しい。一般の人の学習トリガーなんて大学の第二外国語くらいしかないし(イタリア語はそれすらも少ないだろう)、独学も難易度高いし。

それでも・・それでも語学検定の意義というものは大きいし、何とか存続し続けて欲しい。まず仏検3級を取得することを目標にして、徐々にフランス語にのめり込んでいった自分は切にそう思う。

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