ディクテというのは、読まれたものをそのまま書き取るという、語学学習法の1つです。英語だとディクテーション、日本語だと書取とも言います。
黙字(発音されない表記)が多いフランス語においては、読み書きの差異を認識して判別する訓練が特に必要だったのか、語学教育の現場でも非常に盛んに行われています。
・・って御託もほどほどに先に結論から。結局のところ、この学習法を実践すると、どういう効果があるんでしょうか?(まとめブログみたいな書き方)
これは4年間、自分が実験台になってはっきりしました。
インプット系の技能を伸ばしてくれます。DALF/DELFで分類する四則のうち、「読解」と「聴解」の部分です。
もっと具体的に言えば、やっていくうちに、
1)語彙が着実に増える
(⇒単語の正確な意味、綴り、発音、使われるコンテクストを把握しておかないと書き取れるようにならないから)
2)文の成り立ちを把握し、複雑な構文でも意味を押さえられるようになる
(⇒文法、文型の運用が曖昧だと書き取れるようにならないから)
3)音を拾ってから、より速く、より正確に、単語⇒文節⇒文章と大きな塊の単位で訳していけるになる
(⇒瞬時に正確に訳さないとスピードについていけず書き取れるようにならないから)
ということになると思います。意図せず多読多聴した結果として、いつの間にか1)~3)が伸びているって感じですね。
・・
これは仏検で言えば、主に長文問題、書取問題対策の部分に該当します。聞取問題も相関があると思います。
仏検はインプット重視でこのカテゴリーの得点比率が高いという特徴があります。なのでディクテ学習法の実践が、結果として能率の良い対策になっていたのではないかと思います。
・・他方、この学習法には限界もありました。
四則の残りの技能「文書作成」、「口頭表現」に関しては、進歩に殆ど寄与しません。ゼロとは言いませんが、これだけ長く続けていても殆どトリクルダウンしてきませんでした。
ディクテすることの各技能への波及効果としては、読解が10伸びた時に、同時に聴解が8、文書作成が1,口頭表現が0.5くらい伸びる感じだと思います。(仏検とDALFの点数からの実感。裏付けはないです。)
なので、自分みたいにフランス語圏の滞在経験もなく、日常でフランス語を用いないアマチュア独学の方は、四則全てをバランスよく鍛えるために、他の学習法を組合わせないといけません。
私は、学習がインプットにずっと偏っていたのにも関わらず、2016年に急にアウトプットが必要な試験を受ける方向に路線変更したので、色々酷い目にあいました。
以下、関連リンクです。