ジェルミナルの書取は2部5節に入っていて、3部がもう間もなく。全部で7部構成だから登山に例えれば三合目に差し掛かったところ。
ジェルミナルの情景描写は、炭鉱の世界観を反映して重く暗い形容が多いけど、比喩は控えめで的確に写実的なので頭で絵が描きやすく、書取しやすい。
ルネサンス絵画のようにやたら装飾の細かさを追求していたボヴァリー夫人とは雲泥の差だ。
あと書取しやすく感じているのは、色々な小説を書き取ってきた積み重ねの恩恵もある。
大概、何年も語学の学習を続けていると段々と進歩が感じられなくなってマンネリになるけど、それは学習で得た面積が広がってるから相対的に進歩率が低く感じる部分が大きくて、やっぱり続けていれば少しずつでも進歩はしている。
ここでいう進歩というのは語彙とか文法だけでなく、言葉が持つコノテーション(含意)とか、それを連想させる包括的でモヤモヤとした文学的な文脈というかバックボーン、バックグラウンドのようなもの。
そういうのが書き取りを続けてぼんやりと染み込んできたのが大きいかな。この辺、文章が下手くそで上手く書けないけど。。
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従来だと間違いなく詰まっていた情景描写の書取が今日は調子よく進んだのでそんなことを考えている。