Science et Vieは、140〜150ページくらいのフランス語総合月刊科学雑誌。量が多いのでさすがに全部の網羅は出来ないが、手が空いた時に面白そうで理解できそうな部分だけ読む。
今は11月号を読んでいてこれが3冊目。今号はCOP21がパリで開催されたことに合わせた温暖化特集がメインなのだが、この特集だけで80ページくらいあって凄いボリューム。
フランスは温室効果ガスによって、2070年ごろには全土で今より大体2.4度くらい気温が上がると見込まれるのだという。(改善のシナリオによって違うが・・)
それによってどういう波及があるかを、8つの地域に分けて、さらにその中で分野別に専門家が現状と予測を書き綴っていた。
イルドフランス(パリ)の例を上げると、
・熱波やそれに起因する酸性雨によって、文化遺産やインフラへのダメージが大きく、修復改善コストも膨大に。
・ヒートアイランド現象がひどくなり、特にパリ中心部は郊外と比較しても突出、高温注意報の発令も頻繁に。
・乾燥も酷くなり川の水位が大幅に低下。パリ周辺のセーヌ川は40%くらいまで低下する可能性。水不足が顕著に。
・現状はフランス南部にしかいない熱帯蚊がどんどん北上して浸食してくる。デング熱とか流行る可能性。
みたいな感じ。8つの地域それぞれに対して、農業、工業、観光等の地場産業や、紀行風土の特性を踏まえた特集記事が並んでいる。
フランスと言えば、その気候の穏やかさは一つの特性なわけだが、2,3度の気温上昇というのは勿論、影響が半端ないわけで、厳しい予測の多い各特集ルポを読んでいるだけで焦ってくる。フランスやばい。いや、地球がやばい。
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2070年ってどういう世の中になってるんだろ。想像がつかないな。1960年の時点で今の世の中を見通すようなもんだもんな。。