とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

2015年を振りかえって

今年は小説の書取に明け暮れた。年明けからボヴァリー夫人を終わらせることに夢中になっていた。3月に完遂したときはしみじみ感動した。


難しくて、しんどくて、自己満足の極致だったけど、一つの大きな山を征服した事は大きな自信になった。自分の今までのフランス語学習の中で間違いなく最大のハイライトだった。


Madame Bovary (Le Livre de Poche)

Madame Bovary (Le Livre de Poche)



この小説は有り体に言えば、有閑マダムが現実と夢想の狭間で右往左往するだけのものなのだが、書取終わった後は、何とも形容できない不思議な感慨が残った。フランス語学習者なら一度は原書で挑むべき傑作だと思う。(別に書き取る必要はないが)


ボヴァリー夫人を終えた後は、折角の朝の習慣を終わらせるのを勿体なく感じたのと、他の名作を書き取りたくなったのもあって、モーパッサンの脂肪の塊、テリエ館、女の一生、ジッドの田園交響楽、ドーデの風車小屋だより、そしてゾラのジェルミナル(現在継続中)、と色々書き取ってきた。


反動を感じたり、手段の筈の勉強が目的化していることに疑問を感じたこともあったが、楽しいと思う事をやろうという割り切りに振り切れたら楽になった。


モーパッサンの色鉛筆で写実的に描こうとするような不思議な情景描写(何だそれ)とか、ジッドによる各人の心の揺らぎやザラつき、ドーテの描く情景の長閑さとそこに潜む現実の残酷さの対比、そしてゾラのあるがままを描く揺るがない着実な描写、どれも良かった。名作とされ後世に残っているものには理由があるんだ。


ジェルミナルはまだ4か月くらい続くが、その後どうするか。。小説の書取は征服するのに時間がかかり過ぎるし、そろそろこの書取シリーズも終わりにしようと思いつつも、ユゴーとかプルーストとかスタンダールとかヴォルテールとかサガンとかユルスナールとかクレジオとかモディアーノとか、まだ取り組んでない大家たちが書取しろと誘惑してくる。困ったもんだ。