イタリア文学踏破シリーズも8作目です。またプリモ・レーヴィを選びます。今度は「休戦(La tregua)」という作品へ。
これまで読んでいた、アウシュヴィッツでの囚人経験を描いた「これが人間か(Se Questo è un uomo)」(⇒)の後日譚にあたる作品だそうです。
「これが人間か」は、最後に東部戦線でドイツ軍を蹴散らしたソ連兵の斥候がアウシュヴィッツに到着するところで、囚人(著者)の解放を仄めすように終わります。
でも、あれだけ苛烈な体験をしたレーヴィが、どう助けられ、どう回復し、どう帰国して、あの地獄道中記を書くに至ったかまでは明かされませんでした。
そのことに少しモヤモヤしたのですが、レーヴィがその部分を後日譚として別に残してくれていたのは僥倖でした。
「これが人間か」のSideBみたいなものでしょうか。またじっくり読んでいきたいと思います。
以下、紹介文です。
アウシュヴィッツを奇跡的に生き延びた主人公=作者(1919-87)が,故郷トリーノに戻るまでの約九カ月の旅の記録.帰還の旅を通して,愛,友情,そして自分自身を再発見し,生きることの素晴らしさ,世界の美しさに気づきはじめる主人公.アウシュヴィッツという死の世界を体験した者は,いかにして一度失った生を新たに獲得できるのか.
既に岩波文庫の日本語版は絶版で中古本しか流通していません。これ幸いということで日本語版は買わずに自力で読み進みます。大きなチャレンジになります。
さらには、RAI(イタリアの国営ラジオ)で朗読音声があったので、それをポータブルオーディオに取り込みました。
耳からの即訳も試みてみたいと思います(少しディクテっぽい)
目標日数40日と見積もります。5月中に終えられたら。