去年の秋に通訳案内士試験対策の実地訓練でお世話になったレア先生から、近況伺いと個人レッスンの売り込みがあった。
9月に郷里のフランスに帰るが、もしあなたが今年も夢を追いかけるなら、それまででも役に立てることはないですかと。
かねてから予定していた東京の仕事の話がコロナでなくなってしまって、結局ずっと大阪で働いてるらしい。
迷ったが週1で9月まで教えを乞うことにした。定常的にフランス語を話す機会を取り戻したい。1回2時間のレッスンとしては破格値で受けてもらえた。ふっかけてごめんよ。
というわけで早速、初回のレッスンへ。もう2度と会えないと思っていた人と会えるのは嬉しいもの。リハビリがてら色々と世間話から入る。お互い饒舌に。言葉が徐々に出てくる。
「今年も試験受けるつもりなんですね。安心しました。試験に向けて、勉強は熱心にやってきましたか?」
「全然。2月に落ちた後も乗り気になれなくて。そういえば春にイタリア語を少しだけ勉強しました。案外、難しいですね」
「フランス語を勉強してたなら簡単なはずです(本当かよ)。イタリア語、スペイン語、ポルトガル語は似ていますね。私は全部話せます。スペイン語はリセで選択してたし、バルセロナで長い間働いてました。あとポルトガルとイタリアでも働いたことがあります。」
すげぇな。経験とスキルで思いっきりマウントを取られる。
「あなたは4か国語も喋られるんですか。凄いですね。」
「いえ、英語とカタルーニャ語も話します。カタルーニャ語はバルセロナにいる時に覚えました。英語は個人レッスンをしてて、今の日本での自分の主業の1つです。」
6つかい。もう英語も忘れてしまって、ろくに2つ目も喋られないままの俺。反撃したくなる。
「日本語は覚えました?」
「全然。文字も読めないままです。日本語は難しいですね。諦めました。」
勝った!
・・とか張り合ってる場合じゃなかった。この人の生き方を見習うのは難しいが、他の言語ももっとしっかり学んでみたいとは思う。
そういえば、通訳案内士の科目だと、ロマンス語系はフランス語のほかに、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語があるが全部取った人とかいるんだろうか。