とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

フランス語ディクテ学習法を振り返る3~方法~

方法について書こうと思ったら、もう6年前に色々と書いていました。細かい進め方については、このエントリーで全部説明しています。

 

今さら読んで頂くのも大変なので略すと、

聞いて、書いて、読んで、確認しろということです。ディクテの仕方なんてネット上に幾らでも転がってるし、これ以上の詳細な進め方は特に書く必要ないと思います。終わり。

 

(6年前の方法について書いた記事を再掲します)

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1)取り敢えず聴きながら書く
まずは書き取りにトライしていきます。大体、3秒くらいの長さを何度も巻戻しながら書き取っていきます。3秒は、文を塊として把握する長さとして適当なのと、ウォークマンの3秒リピート機能と一時停止を使って書き取るのにちょうどいい長さだからです。

勿論、置換とか単複の判別とか並列などで、長い文の後ろの方まで聞く必要が生じる事もあって、そういう時は通しで聞いたうえでかなり思案しながら書き取ります。

書き取るときには3点、留意している点があります。


(1)語彙不足や発音不明瞭で聞き取れないところはその該当箇所のあたりにアンダーラインだけ引いて放置し、続きを書きとりつつ中身を推理していきリカバリーを試みます。でも、まだまだ上手く行きません。

(2)書く時に迷った単語は書いた後に○で囲みます。文のつながりが上手く行かない、スペルが怪しい、感覚的に発音と違うけどこの単語じゃないと合わないとか、確信が持てないあらゆる迷いが対象です。

(3)形容詞、過去分詞等の語尾の性数一致部分や、アクサンの該当部分も○で囲みます。これはよく引っかかていた部分なので戒めチェック用につけていたらいつの間にか癖になってしまったものです。


2)書取が合っているかを確かめる
1)を繰り返す中で、大体4〜5文くらい書き取った文章が溜まったら、それが合っているか確かめます。
ただアンダーラインだらけの極端に難しい文章や、迷いに迷った○が複数出てきた場合などは、我慢せずにすぐ確かめる事が多いです。
なので難しい文章が続くと、1)→2)は不可分の連続ワークになります。

確かめるプロセスの中では、書取内容とスクリプトが合ってるかを見た後、不明点(アンダーライン)や、迷いどころ(○囲み)の原因をしつこく調べます。
誤りや迷いの理由は、発音、語彙、法、時制、活用、性数一致等、色々な原因が複合的に絡むので、どの原因に因るかを特定します。


同音異義語や、類似発語による単語の混同は放置すると厄介なのでマメに整理するようにします。(air/aireとかsigne/cygneとかそういう類のもの)

フリーの音声素材の場合、単なる読み間違えや読み飛ばしや、読む人の変な癖が理由だった場合も結構あったりして、がっかりする事も多いです。

原因の特定とそれに対する知識の補充が終わったら、また1)に戻り、新しいところを書き取り始めます。


3)聞き返しながら難しかったところをまた書く
1)で書取を繰り返しながら、たまに2)で確かめるプロセスを繰り返す中で、何回か、2)の確かめを繰り返したら、もう1回最初から通して聴きます。

話のキリのいいところでよくやります。勉強時間にして20分に1回くらい、書取分量にして1分半に1回くらい、結構大きな区切りになります。

その際に少しでも迷ったところ、間違えたところは、必ずもう一度書き取るようにしています。書き取れなかった原因に納得して書き取れるようになるというプロセスが自分は好きです。進歩した気がするからです。

以前は、このプロセスでも全文書を書取し直していて、結果として全ての文書を2回書取していましたが、今は慣れてきたので、もう全部はしていません。


4)日本語訳を確認する
小説は基本的に難しいので、どうしても自分の頭だけでは上手く訳せず納得いかないところが出てくることがあります。
それを含めて、1日のディクテが終わった後に、日本語訳を読んで確認し、自分の仏文解釈が極端に間違えていた場所がないかを確認します。
あった場合は、その部分を再度ディクテしなおします。3度目の復習になりますね。

ボヴァリー夫人の時までは、2)で確認するときや、3)で聞き返すときに、一緒に日本語訳も読みつつ確認をしていましたが、これをすると訳に頼りきってしまう弊害を感じていました。


なので、モーパッサンに移ってからはディクテの間中は訳を読むのを封印して、ディクテ中は出来る限り訳を自分の頭で考えるようにしています。最初はイライラしたけど、だいぶ慣れてきました。


・・
以上、1)の繰り返しの後に2)があり、2)の繰り返しの後に3)があり、3)の繰り返しで1日が終り、最後に4)をする。そのサイクルの繰り返しです。
以前はさらに、題材の最後まで書取したら、最初から復習し直していたので、こうやってみると復習のプロセスばっかりだなと思います。

(再掲終わり)

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・・まとめとして、自分のディクテする上での特徴的なポリシーについても書いてみます。

1)書きとれなかった所の理由を解きほぐし、納得するのに時間をかける

これが一番大事です。分かるまでいくらでも粘りました。音⇒音節⇒単語⇒文節⇒文⇒文章と、流れてくる情報を変換していく中で、自分のどの部分の脳内変換処理(コーデック)がおかしいのかを考えながら対処してきました。

語彙の問題だけなら楽です。けど殆どそういうことはなく、最初の2年くらいは、色々な複合的要因でもって、ボロボロ間違え続けました。途中で手が止まることも頻繁にありました。理由を解明するのも大変でした。

そのため、その頃は1時間書取しても、読み上げの分量にして60秒、2ページ分くらい進むのがやっとでした。本当に大変でした。

ディクテというのは、発音、語彙、綴り、時制、法、遊離、倒置、品詞(冠詞、前置詞、代名詞)、文脈などの要素が複雑に絡まり合った知恵の輪を解く作業のようなものです。この知恵の輪を分解し、構造を理解するのに時間を割くことは本当に重要なことだと思います。

 

2)各文の日本語訳を必ずチェックし、自己解釈との差異の原因を理解する

ディクテ初期~中期は日本語訳のない文書は殆ど選びませんでした。(今の時代は機械翻訳を使えばどんな文章でも大意は分かるでしょうから、それで事足りるとは思いますが。)

私は思い込みで間違えて脳内和訳することが多かったので、日本語訳を見て仏文和訳のチェックをすることは絶対に必要なプロセスでした。

書取と仏文和訳は表裏一体の関係にあります。和訳が正確に出来てないと、書取途中のどこかでミスをしていることが多いです。これを調べるのは1)の理由解明にもつながります。

条件法現在と直説法単純未来を取り違えたり、多義語を理解できてなかったり、イディオムの意味を取り違えたり、和訳の間違いにも色々なパターンがあります。これも一つ一つ潰していくしかないでしょうね。

 

3)未知の単語を無理に覚えようとしない

読む文章の難易度にもよりますが、ディクテをしていると未知の単語がワラワラと出てくることが多いです。私は、これについては最初から無理して覚えようとしませんでした。頻繁に出てくる単語は自動的に覚えられるし、出てこない単語はどうせ忘れると割り切っていました。

勿論、本質的な学習を志すなら、語源学などでしっかり認識を深掘りした方が、長期的にはきちんとした知識の体系が組み立てていけるとは思いますが・・

フランス語でそれをするとなると、古典ギリシャ語、ラテン語あたりの知識も必要で時間がさらに必要になるし、自分には無理だなと諦めました。結構テキトーなもんです。

 

まとめ

1)、2)は対処として、それなりに能率的なやり方だったと思っています。独学ということも加味すれば、急がば回れ的にやって来れたんじゃないかと。

ただ3)は、単語帳付けるなり、何か書き出して演習するなり、習熟速度を速めるような方法は別にあったかもしれません。本当に何もしなかったから。

 

 

その他

どうしても解釈の分からない文章にあたったらどうするか

色々勇ましいことを言ってても、独学だとどうしても理解できない文章に付き当たって難儀することもあると思います。

私はYahoo知恵袋に何度か解釈方法について質問を出しました。当時は親切なカテゴリーマスターの方がいて、何でも丁寧に即答していただいて色々とお世話になりました。今はいらっしゃるのかな・・。

 

どれくらい勉強するのか

私の場合は、毎日60分経ったら、区切りの良いところで切り上げるというのが基本パターンでした。

朝活にしろ夜活にしろ、仕事の都合で勉強するための時間がそれくらいしか取れなかったこと、ディクテをしっかり集中する時間の限界がこれくらいというのもありました。

ディクテは(惰弱な自分には)本当に厳しい勉強法で、真面目に集中して続けると1時間終えた頃にはどっと疲れが出ました。

 

・・次回は教材について書こうと思います。

 

 以下、関連リンクです。

 

 

 

 

 

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