語学学習者にとって永遠の課題の、単語をどう扱うかという問題についての自分の対処を書きます。
3の方法のところで、「未知の単語を無理して覚えようとしない」と書きましたが、少し言葉足らずでした。
そういう単語が出てきたら、調べることは調べておかないといけません。ではどうするか。。
単語について調べるときに、辞書に書いてある語義以外のこともメモのようにたくさん調べて書き綴って、周辺知識や付帯知識を沢山仕入れて、連想できる手がかりを増やすように心がけた。
これだけです。過去の語学学習で、苦手な暗記を克服できなかった自分は、色々考えた結果、覚えることに立ち向かうのは止めようと考えるようになりました。
なので、ディクテを通じて出てくる未知の単語については、覚えることに拘らず、複眼的なイメージで単語を捉えるように努め、単語と自分の認識の間に、いくつもの知識の紐帯(イメージのリンクのようなもの)を架けることだけを心がけるようにしました。
例を書きます。
異邦人という小説で「charogne」という単語が出てきます。どう対処するか。。。単純に辞書で語義を調べて、
「charogne 死骸」とだけ書くのではなく、
charogne
・Corps de bete morte en putréfaction、Individu ignoble
・Un insecte qui dépose ses oeufs sur les charognes
・Charogne←Caronia ←Carō⇒Chair
というように、色々調べながら書くイメージを想定しています。
この例の場合、上から語義、例文、単語のルーツの順になります。
仏仏辞典や仏和大辞典などから、役に立ちそうな情報を抜き出して書くイメージです。小説中の用法を書き出すことも多いです。
単語のルーツを書くと言っても、ラテン語とか古代ギリシャ語なんて全く知らないし、言語史を勉強しているわけでもないので、思い付きでバーっと書くだけです。
けど、こういう連想を書き綴ることで、Chair(肉)とCharogne(死骸)が同じルーツの単語と分かります。
そうすると、Charogneの意味が連想しやすくなるのは間違いないところで、単語に対するイメージが豊かになります。
また、その書き出しの際には、次第に日本語の語義を書くのを避けるようになりました。難しい語彙を扱うようになるにつれ、単語のイメージを固定することのデメリットを感じていたからです。
・・書いて納得したら終わりです。 後は何もしません。。
こんな緩い覚え方なので、書いた端からどんどん忘れていきます。ですが、それはもう忘れたらまた調べれば良い、2度3度調べたらいずれ染みこむだろう、と割り切りました。
あと他のメリットとしては、たとえ語義を思い出せなくなって忘れたとしても、再度触れた時に記憶の復元が早くなることと、類義語、派生語、対義語も発想しやすくなって、結果として自分の単語地図を広げやすくなること、あたりも挙げられると思います。
まぁ、この辺は計量的でない印象論でしか語ってないので、何の説得力もないですけど。。
以下、関連リンクです。