とにかくフランス語を勉強する

フランス語に加えてイタリア語もダラダラ勉強しているダメリーマンの記録

フランス語ディクテ学習法を振り返る2~効果と限界~

ディクテというのは、読まれたものをそのまま書き取るという、語学学習法の1つです。英語だとディクテーション、日本語だと書取とも言います。

黙字(発音されない表記)が多いフランス語においては、読み書きの差異を認識して判別する訓練が特に必要だったのか、語学教育の現場でも非常に盛んに行われています。

 

・・って御託もほどほどに先に結論から。結局のところ、この学習法を実践すると、どういう効果があるんでしょうか?(まとめブログみたいな書き方)

 

これは4年間、自分が実験台になってはっきりしました。

インプット系の技能を伸ばしてくれます。DALF/DELFで分類する四則のうち、「読解」と「聴解」の部分です。

もっと具体的に言えば、やっていくうちに、

1)語彙が着実に増える
(⇒単語の正確な意味、綴り、発音、使われるコンテクストを把握しておかないと書き取れるようにならないから)

2)文の成り立ちを把握し、複雑な構文でも意味を押さえられるようになる
(⇒文法、文型の運用が曖昧だと書き取れるようにならないから)

3)音を拾ってから、より速く、より正確に、単語⇒文節⇒文章と大きな塊の単位で訳していけるになる
(⇒瞬時に正確に訳さないとスピードについていけず書き取れるようにならないから)

ということになると思います。意図せず多読多聴した結果として、いつの間にか1)~3)が伸びているって感じですね。

 

・・

これは仏検で言えば、主に長文問題、書取問題対策の部分に該当します。聞取問題も相関があると思います。

仏検はインプット重視でこのカテゴリーの得点比率が高いという特徴があります。なのでディクテ学習法の実践が、結果として能率の良い対策になっていたのではないかと思います。

 

・・他方、この学習法には限界もありました。

四則の残りの技能「文書作成」、「口頭表現」に関しては、進歩に殆ど寄与しません。ゼロとは言いませんが、これだけ長く続けていても殆どトリクルダウンしてきませんでした。

ディクテすることの各技能への波及効果としては、読解が10伸びた時に、同時に聴解が8、文書作成が1,口頭表現が0.5くらい伸びる感じだと思います。(仏検とDALFの点数からの実感。裏付けはないです。)

なので、自分みたいにフランス語圏の滞在経験もなく、日常でフランス語を用いないアマチュア独学の方は、四則全てをバランスよく鍛えるために、他の学習法を組合わせないといけません。

私は、学習がインプットにずっと偏っていたのにも関わらず、2016年に急にアウトプットが必要な試験を受ける方向に路線変更したので、色々酷い目にあいました。

 

 以下、関連リンクです。

 

 

 

 

 

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フランス語ディクテ学習法を振り返る1~序文~

イタリア語の進捗については、しばらく書く事がない。。

それでもブログに来て頂けている方が少しでもいるのは有難いこと。少し考えたけど、フランス語で色々な教材のディクテをしてきた経験を生かし、これから何回かに分けてディクテ学習法について今更ながら振り返ろうと思います。

素人に毛の生えた程度の分際の自分でも、少し偉ぶりたくなったという事です。

 

・・自分は2011年秋から2016年夏まで、延べ1600時間ほど、フランス語学習の一環としてディクテ学習法を実践していました。

途中、2014年3月~8月まで半年ほど都合で中断を挟みましたが、それ以外はほぼ毎日ディクテを1時間続けてきました。それは長く険しい、でも楽しい修練の日々でした。

次回から、その趣旨やら、方法やら、効果やら、利点やら、限界やら、留意点やら、色々な側面から振り返っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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伊検を取り巻く苛烈な現状を知る

英語に英検、フランス語に仏検があるように、イタリア語には伊検というものがある。

 

1995年に設立されたイタリア語検定協会が主催するこの試験、春は3月に1次(2次がある級は開催されない)、秋は10月に1次、12月に2次(1級、2級のみ)、全国主要都市14か所で開催されている。

受験者数が減少傾向にあって、さらにコロナ禍の余波も重なり、イタリア語検定協会を取り巻く状況は厳しい。公開情報を見ると心配になるレベルだった。

昨年度の決算が以下の通り。

 

2020年4月度損益計算書
https://www.iken.gr.jp/association/pdf/f-report.pdf(PDF注意)

売上が1700万円。本当に少ない。これは厳しいですね。(同時期の仏検協会の売上が1.8億円。英検協会が145億円。)コロナで春の試験を休止したのが響き300万円の赤字を出している。この規模だと場所代が結構な支出を占めることが分かる。試験場の数を維持するのも大変だ。

 

2020年4月度貸借対照表
https://www.iken.gr.jp/association/pdf/balance.pdf(PDF注意)

借入もその原資の固定資産もないから極めてシンプル。正味資産(民間で言う純資産)が積みあがっておらず、去年の大赤字で全部食いつぶしている。

ただ今ある現預金600万の原資が良く分からない。秋の検定収入見込1100万円を前受金として負債に入れているけど、この計上の仕方も??良く分からない。

伊検協会はNPOだし(英検、仏検公益法人)、借入にも相応の個人保証が必要なはずで資金繰りには余裕がないはず。

去年の夏~秋に募金呼びかけをして600万円ほどの現金を得たとはいえ、それでもかなり綱渡り的な運営になっているんじゃないだろうか。

常設の事務局はあるようだけど、この事業規模だと専従の人も雇えないし、関係各所の色々な立場の方々が手弁当的に資格試験を支えているんでしょう。頭が下がる。

外務省後援とはいえ、いざ苦しくなっても国は税金投入してくれないだろうし。

 

 

伊検を盛り上げる方法はないだろうか。考えてみる。。

1)イタリア語、スペイン語フランス語検定で協力して、1級を全部取ったら、記念品(金貨とか)を贈呈して表彰することにし、ロマンス語クラスタのコレクション欲を煽る。

2)伊検の最低級(5級)が受けられるバウチャーを各地域の語学学校の入門講座とセットにして配って、底辺拡大を目指す。

3)受験費用が思いっきり高い”超1級”を作って、合格者にファーストクラスラウンジみたいな施設を利用できる権利を与える(ただ合格率は思いっきり下げて非現実的な設定にする。)

4)資格試験に命名権とかスポンサー制を導入する(価値が上がれば、フェラーリ伊検1級とか、ブルガリ伊検2級とかになるかも。)

 

・・くだらない。マイナー語学の裾野の拡大は難しい。一般の人の学習トリガーなんて大学の第二外国語くらいしかないし(イタリア語はそれすらも少ないだろう)、独学も難易度高いし。

それでも・・それでも語学検定の意義というものは大きいし、何とか存続し続けて欲しい。まず仏検3級を取得することを目標にして、徐々にフランス語にのめり込んでいった自分は切にそう思う。

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イタリア語の第二関門(瞬間仏伊作文)へ向かう

文法本の復習もそこそこに第二関門へ進む。

前回、下記のエントリーで、フランス語の語学四則「読む」「聞く」「話す」「書く」の学習時間を追記して、如何に自分がインプット学習法に偏っていたかが分かった。

 

インプット学習を貶すわけではない。色々な書物を通じたフランス文化の摂取は良い経験になったし、継続のモチベーションにもなった。それはそれで一つの語学学習のあり方だと思う。

けど、イタリア語については自分の到達目的のために、四則をバランスよく鍛えることを優先したい。

なので早すぎるかなとも思ってたけど、方針転換して以下のエントリーで取り上げた勉強法を先に試してみる。

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

  • 作者:森沢洋介
  • 発売日: 2007/06/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

スラスラシャッフルトレーニング仏伊編(ヴェルシオーネ・フランチェーゼ・イタリアーナ)。

簡単な日本語センテンスを読んで、瞬間的にその対訳のフランス語、イタリア語を続けて発語するトレーニング。「話す」に該当する部分ですね。

この本にシャッフルとある通り、色々な文章がカテゴリーに関係なくランダムに出てくるので、頭が中々追い付かないのだが、そのパニック感が逆に楽しい。

単文シャッフルトレーニングが500文、中2までの文法による複文シャッフルが20ページ200文、中3までの文法による複文シャッフルが300文。合わせて1000文と、ボリュームもある。

 

で、仏伊と書いてあることからも分かるように、フランス語も同時にやる。一緒に発語することで、イタリア語の特徴と、そのフランス語との差異が明確になり、学習を進めやすくなるのではと思ったので。(あとフランス語への未練もあるけど)

 

・・早速演習へ。

準備として、本の右半分の英語解答部分をOCR読込で電子化し、一気にDeeplにかけフランス語、イタリア語それぞれに翻訳する。それをコピペしてエクセルに落とし、フランス語イタリア語の順にフレーズごとに交互に並べて携帯に落とす。

 

フランス語
前半の単文は楽勝で即訳出来る、中盤の複文も大体何とかなるかなと思える、けど後半の中3レベルの複文はかなり詰まる。情けなーい。

 

イタリア語
最初から全然ダメ。動詞の活用が追い付かない、時制を考慮するのを忘れる、ボキャが足りない、油断するとフランス語の発音が混じる。とても瞬間的に発語する段階までいけない。

 

30分試しにやっただけでヘトヘト。2つの言語をペラペラと連続発語できるようになるには、相応の日数がかかりそう。

でもこのヘトヘト感は、ディクテ学習法を実践し始めたときに感じた「集中して学んだ後の心地よい疲れ」にも似ていて、良いフィーリングはある。

続ければ相応に進歩できるような気がしている。自分の感覚を信じて、しばらく続けてみる。

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個人情報保護法の攻略に取り掛かる

3月7日の個人情報保護士試験までちょうど1か月。

試験を主催する協会から、前回の試験問題とオンライン模試のバウチャーが送られてきた。親切ですね。受験料が11000円と高いのでオマケも充実しているよう。

あとメールでオンライン講座の案内(有償で滅茶苦茶高い)が頻繁に来るけど、これは商売っ気まるだしで鬱陶しいです。いい加減にして欲しい。


・・さて、興味が持てないテキストの698ページの無機的な用語の群れにどう対応するか。

 

いつも業務資格を受ける時は直前でバタバタ慌てるのだが、今回は真面目に考える。これは前広に対策しないと絶対に受からない。 

 

・・趣向を変えるしかないな。

社内研修で、個人情報保護に関する説明会をする講師役を引き受けたという筋立てで、レジュメを作っていくことにする。

勿論、実際に説明会をするわけでなく単なる仮想の話だけど、講師として教壇に立つ準備をする感じで説明資料を作りながら勉強していこうと。ゼミの輪番制にも似てるかもしれない。

勉強の目的を、説明会用テキストをまとめるということに置き換えることで、不毛な資格受験に少しでもメリハリを持たせるということ。

少し時間がかかるのが難点だけど、問題を解いて該当する部分をテキストでなぞって、みたいな機械的なプロセスを繰り返すより全然まし。

レジュメを真面目にパワーポイントで作ると、さらに時間がかかってしまうので、テキストでまとめながら、さらさら作っていく。

って読み返すと、全然他人に読ませるようにまとまってないじゃん。レジュメになってなかった。まぁ自分が分かれば良いや。

 

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土日合わせて2時間くらい説明レジュメを作って53ページまで来た。まだ、個人情報保護法の入口に来ただけ。

残り645ページ、1日平均で23ページ分まとめ続けないといけない(計算して萎えた)。ここからどこまで捲れるんでしょうか。

イタリア語の第一関門を突破する

イタリア語 (世界の言語シリーズ13)

イタリア語 (世界の言語シリーズ13)

 

 

8週間かかったけど一通り終わった。よくやった自分。偉い。

やはり入門書は費用が嵩んでも、説明が丁寧で分厚い本を選ぶに限りますね。全く分からないまま終わるというのが殆どなかったのが良かった。

今回は、去年体験入学的にやっていた時と違って、演習も全部しっかりやった。途中に出てくる長文もしっかり全部読み込んで、途中に出てくる単語もガンガン書き出した(全然覚えられないけど)。

 

語学学習の初期は楽しい。毎日が発見の連続で新鮮だし、それに対応してすごいスピードで進歩出来ている感じがする。

これからも色々な系統の言語を勉強していきたいもの。大阪大学出版会の世界の言語シリーズを全部勉強すれば、人類の普遍的な真理が見えてくるに違いない(でもやらない)。

 

・・取り敢えずはイタリア語を続けます。フランス語と用法が違うがゆえに理解に手間取っている部分とか復習しないと。

 

1)代名詞の用法
直接代名詞、間接代名詞の併用とか、それが動詞の不定形の語尾にくっついたりとか(Dare+mi+la ⇒Darmelo)、馴染みにくい用法がいくつかある。

2)接続法の使い方
イタリア語はフランス語より接続法の利用頻度が高く、肯定表現でも普通に良く使う。時制も4つあるし(フランス語も4つあるが、現在形以外使ったことがない)、しっかり活用を覚えないといけない。

3)命令法の活用
イタリア語は接続法以外、人称によって活用が完全に異なるため、主語を省略する特性がある。なので、命令法は独自の活用があって少しクセがある。英語みたいに主語を抜くだけとかそういうのは出来ないから大変だ。

 

他にもいっぱいあるけど。。

その後の勉強をどうするかも決めていかないといけない。自分の到達目的のためにはこれから色々と進歩していかないといけない。

どうするか迷う。

今の段階で学校通うのもありだし、在阪イタリアンに手ほどき受けるのも手だな。インプット偏重でディクテに時間をひたすらかけたフランス語の時とは違う戦術を取っていく予定。

機械翻訳システムで瞬間仏伊作文を試す

自動翻訳サイトのDeepLは本当に凄いですね。

仕事なんかにおいても、海外の取引先と英語でやり取りするときは本当に重宝しているし、英語が全くできない社内の方をヘルプするときに、知ったかぶりする手段としても有用で良い。

少し試したところでは、英仏、英伊については、かなりニュアンスを守って訳出できている感じがする。瞬間英作文からの転用くらいなら簡単にできそう。 

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

  • 作者:森沢洋介
  • 発売日: 2007/06/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

昔、勉強に使った瞬間英作文の本があったので試してみる。例文としては以下を訳してみる。

 

誰がこれを料理したの?ー僕だよ。
彼はどこに行ったらよいのか知っていますか?-はい、知っています。
彼が割った窓がちょうど直されたところです。
ここから屋根が見えるあの家は100年前に建てられた
彼が泳いで渡ったその川はとても深いので、子供たちはそこで泳がないように言われていた。

 

英語だと、

Who cooked this? -I did.
Does he know where to go? -Yes, he does.
The window he broke has been just fixed.
The house the roof of which we can see from here was built one hundred years ago.
As river which he swam across was very deep, children were told not to swim there.

 

で、ここからが本番。DeepLでフランス語に訳すと、
Qui a cuisiné cela ? -C'est moi.
Il sait où aller ? -Oui, il le sait.
La fenêtre qu'il a cassée vient d'être réparée.
La maison dont on peut voir le toit d'ici a été construite il y a cent ans.
Comme la rivière qu'il a traversée à la nage était très profonde, on disait aux enfants de ne pas s'y baigner.

 

さらにイタリア語に訳すと、
Chi ha cucinato questo? -Io.
Lui sa dove andare? -Sì, lo sa.
La finestra che ha rotto è stata appena riparata.
La casa di cui possiamo vedere il tetto da qui è stata costruita cento anni fa.
Poiché il fiume che attraversava a nuoto era molto profondo, ai bambini fu detto di non nuotarci.

 

フランス語は、受動態の利用を避けながら精度高く訳せている。イタリア語はまだ実力的に良く分からないけど、瞬間英作文レベルだったら大丈夫な感じ。

昔、瞬間英作文から、瞬間仏作文を作るために、Googleで英仏翻訳やろうとして訳出結果が酷くて首を傾げたことを思い出す。本当に進歩した。良い時代になった。

まだこれからの話だけど、イタリア語の文法の基礎が固まったら、この本を裁断して、OCRにかけて、データ取得して、瞬間仏伊作文練習をまとめてやってみようかなと思った。

イタリア語ばっかりやっていると、あれだけ勉強してきたフランス語も、英語みたいにどんどん忘れていきそうだから、一緒にやるのが良さそうな感じ。

個人情報保護地獄に入る

このブログを読みに来る人は全く興味ないだろうけど、3月7日受験予定の個人情報保護士の勉強をしないといけない。

これが本当に最後の業務資格(仕事のために取る資格)になる。合格率35%は今までで最難関。早くから勉強しないと落ちる。遅まきながらテキストを買いました。

 

辞書のような分厚さ、698ページ。簡単に持ち運べない。リュックに入れたら底が破けそうな感じがする。

 

この試験の試験範囲は、

1)個人情報保護法の理解
2)マイナンバー法の理解
3)個人情報保護対策と情報セキュリティ

の3パートに分かれる。自分は、1)は少し齧った程度、2)はあまり知らない、3)は前職で同じ業界にいたので自信あるという感じ。

この本で、各パートにビッシリと法令説明、過去問例題、解説が充てられており、しっかりやれば相当な知識が身に付きそうだなという感じがした。

玉に瑕なのが4年前の本であること。近年の法律改正は補わなきゃいけない。これから、大好きなイタリア語の勉強時間を半分削って進めることにする。 

早速1ページ目から読み始めてみる。。

 

・・びっくりするほどつまらない。今までで一番つまらなかった安全保障貿易(STC Associate)よりも格段につまらない。本当につまらない(※個人の感想です。)

簡単でつまらないならいいが、難しくてつまらないのが痛い。読んでも読んでも法令が全く頭に入ってきません。天井の木目を読んだり、桑田のホクロを数える(ネタ古い)のと同じような感覚。

勉強を始めて15分でウトウトしてしまった。これはとんでもないものに申し込んでしまったかもしれない。2月が地獄になる。

励まされてきた御礼をする

出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記
 

 

既に去年Kindleで読んでいたけど紹介します。

題名の通り、出版翻訳家として好きなことを仕事にする喜びと、それを生活の糧として続けていくことの厳しさについて語ったもの。

ドロドロした出版業界の内情がこれでもかと明かされるが、終盤は涙なくして読めない。翻訳や出版で飯を食っていこうという人は一度読むべき本ではないかと思う。

 

・・実は、この本の著者の方は、私が密かに私淑している方で、マルチリンガルに語学の学習を続け、その歩みを語学の学習ブログにずっと更新し続けられている。(ブログは複数の外国語和名を検索すればすぐ出ます)

資格試験に向けた単語カードによる暗記が中心で、自分の勉強スタイルとは全く違うけど、英語の専門家の方がこういう地道な勉強の仕方を続けているところに説得力を感じる。本来の語学学習というのは、こういうものなのだろうと思う。

 

このブログからは、ずっと大きな励ましを受けてきた。

何でフランス語を勉強してるんだろうという虚しさが襲ってきた時も、仕事が多忙で苦しく勉強道具を取り出すのがしんどい時も、このブログをみれば、伴走者というか先導者がいるような安心感に包まれ、勉強する気力が湧いてきた。何か勝手に励まされているような感覚を持ちながら、ここまで外国語学習を続けて来ることができた。

そのブログは仕様でコメントができないし、SNSもされてなさそうだけど、本のトーンをみて少し心配になったので、自分のブログから御礼を書いておきます。

いつも更新有難うございます。これからも健康に留意して語学の勉強を頑張っていただき、いつまでも私たちの目標であり続けてください。

仏検2級/準1級/1級合格までに要した勉強時間と勉強履歴をまとめる

先のエントリーで質問頂いた件、計算したので上げてみます。

まず、自分の仏検の受験歴を再掲します。年次(西暦)、季節、級数、種別、受験場所、満点、得点、合格点、合否の順です。

 

05春 3級筆記 京都 100/94/?? 合格

(6年半程度の空白あり)

12春 2級1次  京都 100/65/60 合格
12春 2級2次  大阪 30/18/18 合格
12秋 準1級1次 京都 120/71/74 不合格
13秋 準1級1次 西宮 120/72/67 合格
13秋 準1級2次 京都 40/25/21 合格

(間に断片的休憩挟む)

17春 1級1次  奈良 150/80/87 不合格
18春 1級1次  岐阜 150/85/89 不合格
19春 1級1次  京都 150/96/93 合格
19春 1級2次  京都 50/36/34 合格

 

そして以下が合計の勉強時間です。3級、2級の時も合わせてそれぞれ何時間要したか、大まかに計算してみました。独学もレッスンも全部含んでいます。

 

3級 約100時間
(4か月。平均約50分。100%市販参考書。)

3級→2級 約250時間
(8カ月。毎日約60分。100%殆ど書取)

2級→準1級 約750時間
(18か月。1回不合格。毎日約80分。90%書取。10%仏検対策)

準1級→1級 約2400時間
(52か月(中断期間除く)。2回不合格。毎日約90分。書取+雑誌購読+通訳案内士対策+通信添削+個人レッスン+直前対策全て)

 

資格の等級が上がることに、勉強時間が大体3倍ずつ増えてきています。

最初からの総合計だと約3500時間、正味の年数にして6年10か月(82か月)でした。

 

ただ、この数字を見て、こんなに必要なんだとか、これくらいでいけるんだとか、鵜呑みにしないでください。

 語学の上達に必要な時間というものは当然、その人の適性、年齢、他言語の学習歴などによっても大きく左右されますし、個人差が大きい数値なので参考程度に見るだけにして頂きたいです。

 

ちなみに私自身は大学時代に第二外国語でフランス語を選択していたので、その部分はアドバンテージになってると思いますが、進度からして時間にして50時間程度のものだと思います。

それとフランス語の学習の合間に、1年半ほど英語を学んでいますが、全然スキルが身に付いていないので、その部分は殆どアドバンテージになってないと思います。

 

ついでに言い訳をさせていただくと、

私の場合、フランス語学習の中でも、ディクテしながら小説を読むことに夢中になったり、通訳案内士試験の対策をしたり、色々な事をやってきていて、仏検に向けて一貫した対策を取ってきたわけではありません。

色々やったことが結果的に仏検攻略に役立った部分もありましたが、仏検に対しては、蛇行しながら少しずつ螺旋のように進んでいた感じでした。

なので、もし一直線に仏検1級を目指すべく対策を取っていたら、もっと少ない勉強時間で済んでいたかもしれません。

 

・・ともかく。久しぶりに過去のブログを色々振り返ってみたら、稚拙な文章ばかりで情けなくなったけど(今も酷い)、色々なことで楽しんだり喜んだりしたことが思い出されて、幸せな気分になりました。

イタリア語も、その道中で色々な楽しみを見つけながら、少しずつ続けていこうと思います。

odoratさん、気付きの機会を頂き有難うございました。ディクテを楽しく続けられ、仏検準1級のリベンジを果たされることを願っています。

 

(2/8 追記 プロセス別学習比率)

さらに、集計した3500時間を語学学習の4プロセス(「読む」「聞く」「話す」「書く」)にどれくらい費やしたかを計算して割り振ってみました。

ディクテは「読む」と「聞く」にまたがるので、それぞれに半分ずつ割り振りました。仏検問題集に費やした時間は、全部に按分で振り分けました。大まかだけど、だいたいこんな感じ。

「読む」・・ディクテ、雑誌、小説購読など 約2350時間

「聞く」・・殆どディクテ 約800時間

「話す」・・殆どプライベートレッスン 約200時間

「書く」・・殆ど通訳ガイド対策、通信添削 約150時間

 

凄まじいインプット偏重ぶり。。全部をしっかり上達させたいと思ってはいたものの、自分の興味を優先していたら、こうなったという感じです。

聞く、話すの部分に費やした時間は、殆ど仏検準1級を取得してからのもので、通訳案内士を目指すための訓練目的に割いた時間が多いです。

ただ今思えば、仏検は読解、聞取に偏った試験だったので、この勉強配分がむしろ有利に働いたかもしれません。

他方で、DALFの点数が「読む」「聞く」の順に偏って、「話す」「書く」で苦戦するのも、この勉強時間を見ればそりゃそうだよねという話でした。

 

(2/11 追記 仏検3級⇒1級に関する勉強履歴)

全勉強履歴もまとめておきます。まとめのまとめになります。時系列が分かりやすくなるように過去のエントリーに全部受験年度をつけておきました。

3級受験時代はまとめてなかったので(勿体ない・・)(⇒3級もそれっぽいのはあったので改題して追加します)、スタートから、3級、2級、準1級を経て1級までの歩みをほぼ網羅したものになります。途中の通訳案内士試験対策も含みます。

偏ったアプローチからの仏検受験だったので、攻略法を指南する勇気はないのですが(書取を4年続けろとか、さすがに言えない)、仏検攻略を考えている方に何か役に立つエッセンスがあれば嬉しいなと思います。

 

 

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